ホルモン補充療法はいつまでできる?
11月1・2日、女性医学学会学術集会が東京のホテルイースト21で開催されました。
杉本は年に1回の学会を楽しみにしています
いろいろな先生のお話を聞くことができ、刺激を受けて、また頑張る気持ちになるからです。
また、ホルモン補充療法ガイドライン2025年版が8年ぶりに改訂されました。
より安心安全に患者様がHRTを行うことができるように、正確で新しい情報をお届けしていきたいと思います。
ホルモン補充療法はHRTとも呼ばれています。
Hormone Replacement Therapy の略です。
HRTはいつまでできるの?→継続を制限する一律の年齢や投与期間はない
ガイドラインによりますと、
継続を制限する一律の年齢や投与期間はない。
WHIでは5年以上のHRT継続で乳がんリスクが有意の上昇を示したことから、5年以上の継続を行う場合には再度乳がんリスクについて説明し、本人の同意を得ることが必要とあります。
HRTの明確な目的があり、ベネフィットとリスクを上回る場合には、患者本人が継続を望んでおり、医師からのリスクについてインフォームドコンセントが取れていれば、いつまでも継続可能であるのです。
ただし少なくとも、1年に1度、あるいは来院ごとにHRT継続の必要性とリスク評価を共有することが必要であると記載があります。
実際にHRTをやっている人、これから試してみたいと考えている人は、いつまでやっていいのか?不安や疑問を持っていることがあるでしょう。
正確な情報は大切です!
自分での判断ではなく、相談しましょう!
HRTは誰でもできるの?
HRTに興味はあっても自分はできるのか?
気になるかたは多いのではないでしょうか?
HRTは治療法としても優れていますが、誰でも使用できるわけではありません。
HRTができない(禁忌)
- 乳がんにかかっている方と既往のある方
- 子宮内膜がんにかかっている方
- 血栓性静脈炎や肺塞栓症、動脈性の血栓塞栓疾患の方と既往の方
- 妊婦、または妊娠している可能性がある方
- 授乳している方
- 重度な肝障害のある方
- 診断の確定していない異常性器出血がある など
HRT 注意が必要(慎重投与)
- 子宮内膜がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫の既往のある方
- 血栓症の既往のある方
- 乳腺症などの良性乳房疾患の方
- 60歳以上、または閉経後10年以上の初めての方
- 管理不良な糖尿病の方
- 慢性肝疾患の方
- 肥満の方
- 喫煙している方
- 片頭痛の方
- てんかんの方 など
HRTを使用できない方と慎重投与が可能な方を示しましたが、自分で判断できないことです。
婦人科受診し、検査して問題がないか確認する必要があります。
血液検査と、子宮の状態を見てからHRTができるかの判断です。
自分で考えてもわからないので気になったら受診してみましょう!
大岡山北口薬局でも相談受け付けています。
婦人科も紹介できますのでHRTに関心がある方はぜひいらしてください。
ホルモンに左右されずに、自分で自分の体調管理をし、ご機嫌にすごしましょう!


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