若い女性に増えている子宮頸がん~知っておくべき子宮頸がんワクチン

20代~30台に増えている子宮頸がん

秋晴れが広がると格別の気持ちよさですね。本格的な冬の前に、まだまだ秋を楽しみたい気分です。

杉本は11月2、3日に福岡で行われた女性医学会学術集会に行ってまいりました。

今回は「女性の一生を診る」がテーマで様々な角度から女性の一生を考える講演がたくさんあったのでとても勉強になりました。

日々の患者様にお伝えする情報もアップデートしましたのでぜひ大岡山北口薬局にお話しに来てください(^^)/

今回はいち早くお伝えしたい子宮頸がんについてです。

子宮頸がん、子宮頸がんワクチンについての認知度の低さと検診受診率の低いことを皆様は知ってますか?

予防できる癌について、若くして失う命を減らすためにまずは知ること、そして考えてみてください。

子宮頸がんと子宮頸がんワクチンに関する正しい理解

子宮頸がんは年間約1万人が罹患し、約2900人が死亡しており、患者数・志望者数ともに近年増加傾向にあります。

特に20歳~40歳台の若い世代での罹患の増加が著しいものとなっています。

子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となります。

HPVは非常にありふれたウイルスで性交渉の経験のある女性であれば、50~80%は感染すると言われています。

このウイルスに感染しても多くの場合は自分の免疫力によって自然にウイルスを排除できます。

しかし感染した女性の約10%がウイルスを排除できず、感染が長期化します。

持続的に長く感染し続ける一部の女性において数年かかって子宮頸がんが発生することがあるのです。

子宮頸がん(HPV)ワクチン

国内で承認されているHPVワクチンは2価と4価のワクチンがあります。

2価ワクチンがHPV16型と18型に対するワクチンです。

初めての性交渉を経験する前に摂取することが最も有効です。

日本も1994年から2000年まではHPVワクチンの勧奨を導入したので子宮頸がんの罹患と死亡率は減ったのですが、2000年以降は勧奨を停止したので接種率が激減し、また子宮頸がん罹患と死亡リスクが増加すると危惧されています。

HPVワクチン接種を国のプログラムとして早期に取り組んだオーストラリア・イギリス・米国・北欧などの国々ではHPV感染や前がん病変の発生が優位に低下していることが報告されておりオーストラリアでは数年後には排除されると考えられています。

日本でも複数の研究が進行中でワクチン接種者におけるHPV感染率低下が示されています。

HPV16・18型のワクチンで有効性が94%だそうです。

WHOは世界中の最新データを継続的に解析し、HPVワクチンは極めて安全であるとの結論を発表しています。

子宮頸がんになる人・ならない人

子宮頸がんに絶対ならないという保証はどこにもありません。誰にでも起こりうることです。

子宮頸がんは若年者を中心に急増しています。

勧奨一時中止により摂取を見送った対象年齢を超えてしまった女子にも摂取の機会を与えることによって子宮頸がん罹患リスクの増加を軽減できます。

検診で子宮頸がんは予防できる!

自分は癌にかかるかもしれないと思う20歳代の方は少ないでしょう。

でも子宮頸がんに罹患するのは25歳から44歳までがピークなのです。

婦人科受診するのも妊娠して初めてという人が多く、検診で受診するというのもハードルの高いことなのだと思います。

20歳代の検診受診率は極めて低いのが現状です。欧米では70~80%に比べて日本では20%程度です。

子宮頸がん検診の制度

感度50~80%・・・異常者を陽性と判定できる率➡異常者の20~50%が陰性と判定されてしまう可能性(発見できないリスク)

上皮内癌以上の病変の検出感度は94.7%との報告あり。腺がんが検出されない可能性がある。

日本産婦人科学会では令和元年11月1日にHPVワクチンが定期摂取対象ワクチンであることの告知活動を強く支持します。と声明を出しました。

日本産婦人科学会のホームページでも子宮頸がんワクチンに関する正しい理解のために情報公開していますのでご覧ください。

 

 

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