「春眠、暁を覚えず」•••春に眠くなるのはなぜ?最適な睡眠時間って?

春の日差しは柔らかく明るいので、出かけたくなる季節です。

天気が良くても寒暖差が激しいのが春の特徴です。

体調管理に気をつけてくださいね!

眠れない!起きられない!のは春のせい?

 春は朝起きるのがつらいと感じている方も多いのではないでしょうか。

「春眠、暁を覚えず」は「春の夜は眠り心地がいいので、朝が来たことに気づけずつい寝過ごしてしまう」という意味の有名な言葉ですが、春は睡眠の観点から言うと眠りづらいシーズンなのです。

春の眠気や睡眠トラブルの原因

春の眠気やだるさにはメラトニンというホルモンや自律神経が関係していると言われています。

メラトニンは日光など強い光を浴びることで分泌が促進され、覚醒のスイッチが入り体内時計がリセットされます。

春になると日照時間が長くなり、メラトニン分泌のバランスが変化します。

その影響で睡眠のリズムが乱れやすくなり、眠気や睡眠不足、睡眠の質の低下など睡眠トラブルを引き起こす場合があります。

また、春は天候や気温が不安定のため、自律神経のバランスが崩れやすいです。

入学、入社、引越しなど、環境の変化によるストレスも自律神経のバランスを崩す原因になります。

自律神経は交感神経と副交感神経を交互に働かせながら、仕事や休息が必要なタイミングでリラックス状態になるようにバランスを保っています。

春特有のストレスで自律神経のバランスが崩れると、適切な状態で覚醒やリラックスができなくなり、夜にうまく眠れなかったり、昼間に眠くなったりと睡眠トラブルを引き起こす場合があります。

メンタルにも及ぼす春の眠り

睡眠不足は、ぐっすり眠れた時よりも交感神経の緊張が大きく強くなるため、心理的なストレスを受けやすくなったり、情緒不安定になりやすいことがわかっています。

意思決定やコミュニケーション、感情の抑制や集中力などに影響していて「心の脳」と言われる脳の前頭前野の働きが鈍くなる傾向も。

理性や冷静さが失われて感情的になったり、ネガティブになったりします。

最適な睡眠時間って何時間?

厚生労働省は2024年度から始める次期の国民健康づくり計画「健康日本21」で定める数値目標を固めました。

十分な睡眠時間を6〜9時間として(60歳以上は6〜8時間)として確保出来ている人の割合を32年度に60%とする新たな目標を掲げます。

国が睡眠不足への対策を強化するのは、近年の研究で心身の不調に関係し、寿命に影響することがわかってきたためです。

日本人の平均睡眠時間は、男性が7時間52分、女性が7時間33分で、海外と比べ短いそうです。

では、いったい毎日何時間眠れば良いのか?

実はその絶対的な基準はありません。

睡眠は体質や性、年齢など個人的な要因に影響されるためです。

「睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分」と睡眠時間にはこだわらなくても良いというのが専門家の見解です。

睡眠をきちんととることができたかどうかは日中しっかり覚醒して過ごせるかが目安となります。

睡眠時間は長ければ良いわけではない?!

睡眠不足の蓄積が、がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症など様々な疾病の発症リスクを高めることが、各方面の研究結果から明らかになってきています。

しかし、単に睡眠時間が長ければ良いというわけでもないようです。

アメリカの大規模調査では、睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く長寿でした。

睡眠時間は長くても短くても健康を損なうリスクを高める結果でした。

年齢によって睡眠が変化〜加齢により睡眠時間は短くなる!

睡眠時間を調べたデータによると、10歳までは8〜9時間、15歳で約8時間、25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間と、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなるということが報告されています。

眠りも浅くなり、途中で目覚めることも多くなりますが、それは自然なこと。

というのは、60歳を過ぎた頃から基礎代謝が低下し、眠ることにより補うべきエネルギー量も減って、必要な睡眠時間が短くなるからです。

睡眠を促すホルモンであるメラトニン分泌量も、加齢とともに減少することがわかっています。

睡眠時間にとらわれ過ぎずに、朝起きた時に疲れがなく、日中の生活に支障がないようなら睡眠は足りていると考えましょう。

お昼ごはんの後に眠くなったら、15分〜20分程眠るとスッキリします。

良い睡眠をとるコツは体内リズムを整えること

体内リズムが乱れると寝たい時に眠れなくなったり、睡眠時間は十分なはずなのに目覚めが悪くなってしまったり、良い睡眠が得られにくくなります。

海外旅行での時差ボケ、夜ふかしや朝寝坊などによって私達の体内リズムは簡単に乱れてしまいます。

体内リズムの乱れもまた肥満と言った生活習慣病や、日中の疲労感、パフォーマンスにも関わってきます。

毎朝同じ時間に太陽の光を浴びること、朝食をしっかり食べること、夜に強い光を浴びないといったことが体内リズムを整える上で重要となります。

睡眠には脳や体の休養、疲労回復、免疫機能の増加、記憶の固定、感情整理など多くの重要な役割があります。

うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールして、生き生きとした毎日を過ごしましょう!

 

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