薬局に薬がない?!2割の薬が手に入らない・・・薬を求めて薬局巡り

暦では秋と言っても毎日暑い日が続いています。

夏の疲れが出てくる頃ですので、水分補給をして、しっかり睡眠をとりましょう。

いつもの薬がない・・・なぜ?

今、処方箋を持って薬局に行っても薬が手に入りにくいことはご存知でしょうか?

「その薬、不足していまして・・・」

「その薬は出荷調整中で・・・」

こういう状況が約3年続いています。

手に入りにくい医薬品は幅広く、何がないと言い切る事ができません。

毎日のように、出荷調整になった品目、出荷調整解除になった品目、販売中止になった品目などの新しい情報が入ってきて逐次状況は変わります。

漢方薬が入ってこないこともありましたが、最近は解除されました。

今、手に入りにくいと言われている薬

咳止め、解熱鎮痛剤、抗生物質、アレルギー剤、血圧の薬や胃薬、ビタミン剤、抗てんかん薬、向精神薬などたくさんあり、医薬品の約2割が出荷規制がかかっています。

薬局で薬をもらうことに時間を要した方も多いのではないでしょうか。

薬局で働く薬剤師として、今までで一番辛い状況です。

代替品がある薬剤の場合には患者様、医師に了承を得て変更することもあります。

供給不足 そもそもなぜ起きた?

きっかけは、2020年末に発覚した福井県のジェネリック医薬品メーカー「小林化工」の不正です。

水虫など真菌症の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入し、全国240人以上に健康被害がでたほか、国が承認していない工程での製造などの不正を長年に渡り組織的に隠蔽し続けていたことなど悪質な実態が明らかになりました。

こうした医薬品の信頼を根底から覆す事態を受け、立入調査が強化され、メーカーによる自主点検も行われました。

こうした中、ジェネリック大手3社の一つ、「日医工」をはじめ、各地のメーカーで製造工程の問題が見つかり、相次いで業務停止命令や業務改善命令の行政処分が出されるなどして幅広い種類の医薬品の出荷が次々に止まりました。

なぜ出荷調整が広がっていくの?

行政処分を受けた会社の薬は出荷されなくなりますが、医療全体でのニーズは変わりませんから、その分のしわ寄せが他の会社に行くことになります。

ところが、その会社も年間の製造計画を緻密に作っていて、自社に注文が殺到したとしてもすぐに対応できるわけじゃないのです。

逆に注文が増えてしまうことで「出荷調整」が起きて、連鎖的に出荷調整が続くとこういう状況が今起きているわけです。

これからどうなる?いつ解消される?

薬局では、多くの薬が十分に手に入らない状況が続いています。

よくなることを期待していましたが、悪くなっているのが今の状況です。

以前は薬の注文をしたら、その日や翌日には入荷していたものが、1週間、2週間、1ヶ月待たないと入らなくなってきています。

状況の把握や薬の在庫の管理に苦労しています。

いつ解消されるのかは先は見えず、以前のような流通に戻らないことがあると想定し、今後どのような対策を取っておくかが大切だと思います。

今の状況を理解し、以前と違う時代が来ていると共通の認識を持つことが重要だと思います。

慢性疾患の患者様には自分の薬はギリギリではなく、余裕を持ってもらっておくことを勧めています。

大岡山北口薬局では薬がなくて困っている患者様を出したくないので、できる限りの努力で薬の準備をしています。

処方された薬をすぐに全部お渡しできないこともあります(お時間をいただくこともあります)が、薬の供給体制不足がかつてない規模で起こっていることにご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

薬局薬剤師も毎日頑張っています!!

 

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